EXPRESSION

ROPÉ ÉTERNELを作り上げている
様々な事、思い、哲学
それらはディレクターの眼差しを通し
色彩を帯び表現されています。
まるでプリズムを通して浮かび上がる虹のように。
ここではその虹を構成している小さな水滴のような
源の部分を少しずつ綴って行きます。Text & Edit: Yuko Ishizaki / uraku
Photo: AI Tomatsu
Supervision:
ROPÉ ÉTERNEL Director Mayumi Sasaki

VOL. 27

ドビー織り

10 April 2020


この素材はいい意味で、見た目からの想像を裏切る風合いを持っている。
信頼するパートナーとも言えるデザインワークスTOKYOのメンバーと
生地製作の最終的な打ち合わせでROPÉ ÉTERNELディレクターはこの生地への思いを語りました。
初めて見たときの印象はやや男っぽくフラットでかっちりしたイメージ
それなのに触るとしっかりしながらもふっくらと柔らかく、しっとりとした色気まで感じると。
これなら少し女性的なラインのジャケットが美しく、肌触りも心地よく永く愛されるかもしれない。
いつものように手で感じてインスピレーションを受けてイメージを広げます。
このアトリエはそんなイメージを感じ、さらに掘り下げて行こうとする要望を
楽しんで一緒にクリアしてくださるのだそうです。
デザインワークスさんはメイドインジャパンの数少ない素晴らしい技術の機屋さんと連携して
他にはない深みのある素材を提供してくださいます。
今回はこのドビー織りをちょっと詳しくご紹介します。

Giza Cotton Gingham Jacket ¥45,000+tax
Narrow Pants ¥27,000+tax
Bermuda ¥22,000+tax
(アイテムの詳細はこちらから)

この素朴で愛らしく洗礼された織物が作られているのは
遠州という産地、現在の地名では浜松市にあたる場所です。
浜松といえば、この遠州織物の他にも、車産業、楽器産業などなど
日本の近代化や高度成長を支えてきた工業地帯の一つです。
繊維産業も30年前までは大手紡績会社や染物工場など
数多くが軒を連ね、繊維の町としてもとても栄えていましたが
現在では生産場所の海外移転が進み、生産量はピーク時から比べると激減してしまったそうです。
そんな中で、現在でも古いドビー機械を大切にメンテナンスしながら
職人技で細かな作業を続けている素晴らしい機屋さん「松尾織布工場」と
その機屋さんへ糸の手配や、販売をまとめる生地屋さん「ベガ」が
今回のドビー生地を製作してくださいました。その製作現場のご紹介です。




かつて「暴れ川」とまで呼ばれた、諏訪湖を水源とする天竜川の近くに
機屋さんと生地屋さんはあります。
かなり昔からこの豊富な水源を利用して、棉花や絹織物も盛んだったようで
文明開化の頃もその流れをくみ、織物の産地として発展します。
同じ区域でやはり良い水を利用して栄えた機械産業(現在は車やバイクを生産しています)により
性能の良い織機も生産され、相乗効果で発展していったそうです。




機屋さんの工場の中に入ると、織機の動くガチャンガチャンという音が大きく響き渡ります。
40年ほど動き続ける機械の音です。
柄を生み出す仕組みは、カードという型を使います。コンピューターなどは使用していません。
このくらい振動が激しいとコンピューターなどはすぐ壊れてしまうのだそうです。
丁寧に油を毎日さしてメンテナンスしながら動かし続けているそうです。

8000本という縦糸は手作業で通すのだそうです。
一つ一つ、専用の道具を使い通していきます。熟練の技が必要な部分です。


糸を飛ばしたり、柄をつけるための「絡み」という道具は日本では生産されていないようで
スイスから取り寄せるのだそうです。




カードに型をつけるための機械です。昔のタイプライターのような機械で穴を開けて行きます。
このカードも日本では生産されていなく、スイス製なのだとか。



気の遠くなるような細かな手作業と、毎日のメンテナンス
丁寧に作られた素材は美しく表情があり、手作業の揺らぎを残しています
その部分が人肌に馴染むのかもしれません。
こんな素晴らしい生地も、後継問題や、分業システムの崩壊など
浜松の産地が抱える問題は山積みです。
まるで優秀なエンジニアのような機敏な動きの作業風景を見ながら
メイドインジャパンの技術の高さを未来にも繋げられたらと感じずには居られませんでした。
工場を出ると美しい木蓮の花と、ブランコが目に入り
ふと肩の力が抜けて帰路へつきました。



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