MY STORYBY ROPÉ
vol.4/ メイクアップアーティスト 早坂 香須子さん
2016.10.13
好きなもの心地よいものからスタイルは生まれると思います。
Photo : TAKAKI IWATA
Interview & Text : AYA SASAKI
ワードローブにはどんな服が揃っていますか?
黒、白、紺、グレーのシンプルな色で単色が多いですね。柄もの自体をあまり持っていないんです。撮影現場ではメイクという色を扱う仕事なので、鏡越しに自分の服の色や模様に邪魔されないようにしています。ですが、打ち合わせや取材のようなお仕事の場面では、自由にコーディネートを楽しんでいますよ。
今シーズンのROPÉのお洋服で気になっているアイテムは?
ルックブックの撮影現場でたくさんのサンプルを手にとったのですが、レオパード柄のスカートとトートバッグ、そして今日羽織っているライダースジャケットに心をつかまれました。
すでにスタイリングプランも浮かんでいますか?
ライダースは今日のような甘めの服にあわせていきたいですね。もともとライーダスジャケットを持っていますが、今シーズンはオーバーサイズのものが気分です。トートバッグは、ベロアやメタリックの鮮やかな色なのでシンプルなコーディネートで差し色として持ちたい。折り畳んでクラッチのようにも持てるし自由につかえる点がいいですよね。そして、レオパード柄は、日頃、柄ものやヴィヴィッドな色を着ないのですが、「このレオパードなら着たい」と興奮した一着。赤いベルトラインはレディライクな気分を盛り上げてくれるし、すごく素敵だと思います。シンプルなニットに、タイツ、ブーツとスカート以外はすべて黒でまとめて、フレンチな雰囲気でカフェとかに出掛けたいです。テーマを決めてコーディネートすることも大好きなんですよ。
現在の着こなしのスタイルはどのように生まれたんですか?
やっぱり自分との対話からだと思います。色々チャレンジして来て、今のスタイルが見えて来たのは、ほんとここ2~3年ですね。昨年思い切った断捨離をしたことで新たな発見もありました。自分のワードローブの真ん中に位置するものは何なのか、着る機会は少ないけれど必要な服とか、全体を把握できたことで、コーディネートのアイディアも湧きやすくなりました。似合う似あわない、要るいらないが、自分できちんと分かるようになったと思います。
メイクとファッションのバランスは、どのように取ったらいいでしょうか?
洋服が変わってもメイクを変えないという意見も多く聞きますが、メイクはファッションの一部なので、コーディネートに合わせて変えると楽しいですよ。自分の見え方にもバリエーションがついて、どんどんおしゃれになると思います。その日のコーディネートには、どんな女性像がいいかと考えてみましょう。アイメイクにポイントを置く場合でも、アイラインをぎゅっと引いてみようかなとか、バーガンディのような色を目もとに使ってみようとか、眉をきりっとさせようとか、服ありきでメイクを変化させていくんです。
具体的な方法はありますか?
お洋服を決めて、メイクを9割くらいまで進めたら、一旦そこで中断。靴をはいて鞄を持って全身をみてから仕上げに入ります。もし少しでも「あれ?違うかな?」と思ったら潔く落としちゃう。私もそういうこと、あるんですよ。以前もトークショーのお仕事のときに、いまいちコーディネートと合わなくて、渾身のアイメイクを思い切って落として赤リップだけ塗ったら好評だったんです。メイクはファッションの一部なので、バラバラにならないように細心の注意を払います。
スタイル探しのコツは?
きちんと自分と対話していくことだと思います。好きだな、気持ちいいなぁという感覚を大切にしていくことでしょうか。自然と心地よくない物は淘汰されるんですよね。自分が好きで良いと思っているものがスタイルに繋がっていくんだと思います。自分をよく観察する癖をつけると、メイクもファッションも全体的なブラッシュアップに繋がっていくと思います。
PROFILE
- メイクアップアーティスト 早坂 香須子さん
- ( Kazuko Hayasaka )
雑誌や広告を中心に活躍し、国内外の女優やモデルから支持を得る。オーガニックやホリスティックなコスメ、ライフスタイルにも造詣が深い。自身がプロデュースしたスキンケアコスメ「ネロリラボタニカ」が発売中。