MY STORYBY ROPÉ

vol.1ROPÉ デザイナー 津川 愛子さん

2016.09.01

すべての女性たちのライフスタイルに寄り添う服でありたい。

Photo : TAKAKI IWATA
Interview & Text : AYA SASAKI

今シーズンのテーマは?

「アカデミックモダン」をテーマとし、アメリカのソーシャライツのような、クラシカルなものに現代的な感覚を取り入れ着こなすことが得意な女性像を提案します。何を着るかよりも、どう着るかがポイントになると考えました。具体的には、アウターのインナーを袖周りでレイヤリングしたり、相反する素材感をミックスしたスタイルを楽しんでいただきたいと思います。

具体的な着こなしのコツを教えてください。

手首や襟元を見せることで、抜け感のある着こなしが完成します。例えば、シャツなど中に着ているものをアウターの袖口から見せるレイヤードなどです。柔らかさと軽やかさのある素材がアウターからきちんと見えることで、華奢なニュアンスが完成します。また、今私が着けているようなチョーカーも、最近人気のアクセサリーですが、首もとを縁取り華奢さを強調してくれます。素材もチェーンなどは高級感もあり、大人の女性にとって着けやすいアイテムです。

機能面も大切にしているロペですが、今季お薦めのアイテムはありますか?

やはり働く女性には、着心地の良い物を着てほしいと思っているので、機能性に優れている服作りは、大切にしている点です。今季であれば、肩掛けしたときにきちんとステイしてくれるテーラードジャケットがおすすめです。ジャケットを着るというより羽織るというシーンも多いと思うのですが、ずり落ちたりするのは所作としても美しくないので、ベルベットテープを裏地に添えてすべりにくい工夫をしています。そして、いつも素材にこだわっているのですが、今年はロングコートを生地から開発して作りました。ロングコートを着たくても、重さで敬遠してしまうという声をよく聞いていましたので、軽さを重視して。その結果、ラグジュアリーで女性らしい雰囲気のある一着が完成しました。

秋一番は、どんなアイテムを手に取るのがよいですか?

今年は色とデザインに変化が表れています。色の綺麗なトップスや、キャメルや茶などの近しい色合いでつくるワントーンスタイル、また袖の形がユニークなトップスもたくさんあります。一点取り入れると、それだけで今年らしさが出てくると思います。その場合は、ボトムスはベーシックなもので問題ないと思います。素材でスタイリングをブラッシュアップなさりたい方は、レザーやファーが久々に面白いと思いますよ。レザーのスカートは私も数点新調したいと思っていて、一枚でスタイリングの主役になる便利で華やかなアイテムです。

清潔感があり好感度の高い服として、働く女性に支持を得ていますが、その秘訣はどんなところに?

大変嬉しいことですが、具体的なことより「多くの女性に寄り添う服」ということを心がけているからでしょうか。ロペでは現在、「姿勢から美しく。」というステートメントを掲げています。言葉遣いや立ち居振る舞いもしなやかで知性を感じる女性という意味です。そういった凛とした女性たちにとって、服との心地よい距離感とは何かを、いつも考えながらデザインしています。気負いがなくナチュラルで、ユーモアある女性たちに寄り添える服でありたいと思っています。

PROFILE

津川 愛子さん

ROPÉ デザイナー 津川 愛子さん
( Aiko Tsugawa )

ROPÉ チーフデザイナー。 小さい頃から洋服や物づくりが身近にあり、中学生のときに海外コレクションを映像で見て影響を受け、ファッションを学ぶことを決意。高校を卒業後、文化服装学院に進学。 卒業後、洋服ブランドのアシスタントデザイナーに。会社の新しいブランド立上げにも参加。2004年JUNのROPÉデザイナーとして入社。2011年ROPÉのチーフデザイナーに就任。 現在に至る。

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