SPECIAL SHORT ESSAY

SPECIAL SHORT ESSAY 女を育む、服

エディター・ライター 松本 千登世

ESSAY 20

ROPÉ / ROPÉ mademoiselle / ROPÉ ÉTERNEL

ロペに身を委ねる、女たち

学生時代、働き始めたころ、いや、随分大人になってからも、ファッションにいちいち口を挟むその存在をむしろ疎ましく感じていたという。「あのころはあんなに拒絶していたのに」と前置きをしながら、ある友人が、穏やかにこう語り始めた。 「最近ね、母の言うことは本当に的を射ているなあって、改めて思うの。今では、『ねえ、今日の服、どう?』ってこっちから相談しちゃうくらい」 背が高く見える、すっきりと痩せて見える、顔が小さく見える、脚が長く見える、知的に見える、女っぽく見える……。母の視点で語られるひと言は、すべて他人にどう見えるかという、「印象」について。その言葉を聞いていると、大人が服をどう選び、どう着るべきかがよくわかるのだと言って。 すごくよくわかる。そう、母は正しい。家族は正しい。私自身、母や家族に褒められたら、不思議と、いつどこで誰に会っても、自信が持てる気がする。なぜなら、その良し悪しの基準が、トレンドとかブランドとかそういうことではまったくなくて、誰かを不安にさせないか、誰かを不快にさせないかという、原点にあるから。わかりやすく表現すると、「品」と「清潔感」の有無にあるから。だから、母や家族に褒められる洋服や着こなしが、もっとも大人を美しくすると、信じられるのである。ふと思った。ロペの洋服はまさに、母に褒められる服なんじゃないか、って……。

ロペの洋服には、「ロペ神話」なるものがあると聞いたことがある。たとえば、ロペのワンピースを着ると彼の両親に気に入られるとか、ロペのスーツを着るとキャビンアテンダントの面接試験に合格するとか。ロペの洋服が、人生の節目節目でいい方向へと導いてくれるという話。ベーシックでありながら細かい工夫が施された形、着るほどに夢中になる上質な素材感、そして何より、女性の肌を表情を立ち居振る舞いを美しく見せる「ロペネイビー」という色。ロペがこだわり続けるクリエイションが、年齢やスタイルを問わず、すべての女性たちに品と清潔感をもたらす。そうして、纏うたび、女性たちの気持ちを支え、姿勢を正し、人生に磨きをかけていく……。その結果としてのロペ神話、に違いない。

今年、50周年を迎えるロペ。その名の由来は、シャガールやマチスなどの芸術家に愛され、今も世界中の名だたるセレブがバカンスを過ごす南仏、サントロペにあるという。「伝統を受け継ぎながら、新しい文化を軽やかに受け入れる。シックな雰囲気の中に、ちょっとしたエスプリがある。そんなサントロペに流れる時間や空気を纏った服を、女性たちに」という思いから生まれたブランド。だからなのだろう。品や清潔感の裏にあるのは、自由な好奇心であり、誰かの真似じゃない自分らしさ。ひとりひとりの人生に神話を生むのは、そのためなのだ。 ロペの洋服の持つ「力」に身を委ねてみてほしい。肌色が冴え、表情が華やぎ、背筋が伸びるのを実感するはず。それこそが、あなたの品と清潔感。溢れ出すあなただけのエレガンス……。


松本 千登世

松本 千登世CHITOSE MATSUMOTO

客室乗務員、広告代理店や出版社勤務の経験を経た後、フリーランスの美容ライターに。
自らの経験をもとに語られる、エッセイや美容特集は常に世の女性たちの注目を得ている。
著書に、『美人に見える「空気」のつくり方 きれいの秘訣81』(講談社)や、
『結局、丁寧な暮らしが美人をつくる。今日も「綺麗」を、ひとつ。』(講談社刊)などがある。