SPECIAL SHORT ESSAY

SPECIAL SHORT ESSAY 女を育む、服

エディター・ライター 松本 千登世

ESSAY 18

ROPÉ ÉTERNEL

アティテュードが輝く、女たち

「ファッションってね、『アティテュード』だと思うの」
尊敬する編集者の女性が、ことあるごとに繰り返し、語っていた言葉である。「服」によって気分が変わること。それが、服の本当の役割であること。それを知っている人が美しいこと……。アティテュードという深い言葉に、シンプルな真実を教えられた気がして、目から鱗が落ちる思いがしたのだった。同時に、こうも思ったのだ。服をどう選び、どう着るかは、自分自身の毎日の、そして人生のあり方を語り出すんじゃないか。服をどう選び、どう着るかが、女のクオリティを語り出すんじゃないか。ファッションに対して、より、気が引き締まる思いがしたのである。

私たちはきっと、無意識のうちに、洋服と「対話」をしているのだと思う。たとえば、私の場合。人生初の「スモーキング」に挑戦したとき、黒のタキシードジャケットにストレートパンツというコーディネイトが「男装」に見えないように、知恵を絞り、工夫をした。髪を緩やかに巻いてみたり、口紅に透ける赤を足してみたり。胸元のボタンをひとつ余計に開けてみたり、袖をくしゅっとたくし上げてみたり。アクセサリーを足してみたり、ピンヒールを合わせてみたり。クールに、シャープに見える分、できるだけ、行動はしなやかに、言葉は丁寧に。洋服といちいち対話をしながら、自分の中にある女っぽさを見つけ出し、光を当てようとしたのだと思う。 いや、じつはもっと単純なのだろう。「レース」を纏うと背筋が伸び、「カシミア」を纏うと表情が和らぐ。「黄色」を纏うと元気になり、「ピンク」を纏うと優しくなる。それは、服が私たちに語りかけ、私たちが服に応えている証……。洋服との対話がその日の「気分」を創り、「性格」を創り、「その人」を創り、やがて、アティテュードになるのだ。

じつは、会うたびどきっとさせられる大好きな女性がいる。彼女はスタイリスト。一緒にロケに出かけると、撮影時は黒のジャージー素材のシンプルなトップスに細身のデニム。ところが、一度解散してディナーに集まると、鮮やかな色のドレスにサンダル、耳元には大きめのイヤリングにオレンジがかった赤の口紅……。プロフェッショナルとしての自分を表現し、女としての自分を演出する。心底、服と自分の関係を楽しんでいるから、その姿を見るたび、刺激を受ける。そして、この人にまた、会いたくなるのだ。 ロペ、50年の歴史を刻んだエッセンシャルラインとして生まれ変わったロペ エターナル。その時間は、まさにアティテュードを注入した服の文化を創り出すために積み重ねられたのだと思う。誰をも美しくする、上質な素材、絶妙なカッティング、美しい色に心地よい質感は、誰ひとりとして同じに見せない。ジェンダーレスでシーズンレス、エイジレスでタイムレスと、自由度が高いからこそ、服と人の対話の数だけ美しさが生まれる。そう、ロペ エターナルは、纏うほどにで自分だけのアティテュードが輝く、そんな服なのである……。


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松本 千登世

松本 千登世CHITOSE MATSUMOTO

客室乗務員、広告代理店や出版社勤務の経験を経た後、フリーランスの美容ライターに。
自らの経験をもとに語られる、エッセイや美容特集は常に世の女性たちの注目を得ている。
著書に、『美人に見える「空気」のつくり方 きれいの秘訣81』(講談社)や、
『結局、丁寧な暮らしが美人をつくる。今日も「綺麗」を、ひとつ。』(講談社刊)などがある。