MY STORYBY ROPÉ
vol.2/ スタイリスト 亘つぐみさん
2016.09.15
楽しんだ者勝ちだから、ファッションは。
Photo : TAKAKI IWATA
Interview & Text : AYA SASAKI
広告ビジュアルのスタイリングも担当されていますが、今季のROPÉにどんな印象をもちましたか?
「とてもベーシックでシンプル、アイテムによってはクラシックな物もあったり、良い意味で、削ぎ落とされていますね。着る人の個性がすごく強く出てくるし、着方によって色々変えられる、飽きのこない服だと思います。
お薦めのアイテムは何ですか?
ベルベットの素材は今年らしいと思う。あとは丈の長いプリーツスカートや、チャコールグレーのニットワンピはトレンド感があるからピックアップなさるといいと思います。今シーズンは長いものをかさねてボリュームを下へと作るのが新鮮なので、ロングスカートの下にワイドパンツをはくととても今年らしい。もちろんお手持ちのもので、短いジャケットを合わせても、ぱっとおしゃれに見えますよ。それと、プリーツスカートは本当に便利。このままブラウスとジャケットを合わせてエレガントにもなるし、Tシャツとライダースやブルゾンなどを合わせて、足もとにスニーカーを選べばカジュアルにもなります。
亘さんが、この秋着たいと思っているスタイルとは?
70'sの気分の服はけっこうオーダーしているので、それを基本に。タートルネックのセーターとかね。わりとシンプルが好きなので。
今季のROPÉで気になるアイテムはありますか?
お気に入りをスタイリングしているので、どれも好きなもの。エターナルのラインは素敵ですね。あとツイードコートやカーディガンも。
シンプルにたどり着く以前は、どんなスタイルを楽しんできましたか?
色んな恰好してるんですが、子供の頃に親の影響でトラッドな恰好をしていたのがベースにあると思います。その後は、ハイブランドもサーフスタイルも、ヴィンテージも、109の服もそのときどきで、全力でファッションを楽しんできたと思います。それを通り越してからはずっとシンプルですかね。本当に買い尽くしたというほど、たくさんのお洋服を買ってきて、今は好きな物しか買わないです。
最近気になっているものはありますか?
日本のブランドにハマって。わりとカジュアルな服が好き。メンズものも。
ツイードのコートなどメンズライクなものを、女っぽく着るポイントを教えて下さい。
コートなら、中に着るものの素材感を薄くすることかな。シルクにするとか、薄手のニットにしたり。あと足首とか、手首とか鎖骨とか、女性らしいパーツを見せた方がいいいと思います。
スタイルは、どうすると見つかるでしょうか?
自分の体を知ることが近道かな。やはりその人に合った丈感のバランスが重要なんです。気に入って買った場合でも、なんかちょっと違うな、ということがあると思うんです。丈やスカートのラインが自分の体に対して最適なバランスなのかを、鏡でよくチェックしてみてください。袖をまくったり、足首をみせたり、ベルトをしてみたり、色々自分で試してみちょうどいいところを見つけてください。色が好き、形が好きと思ったら、まずは思い切って買っていいとおもいます。
バランスを調整するコツはありますか?
ちょっとだけ丈を直すとか、上に着るものをボトムにインして短くしてみたり、ひと工夫だけで全然違って見えるのですが、そこまで服と向き合って着ることは必要だとは思います。ただ着るだけではやっぱり難しい。みんなと一緒になっちゃうんですよね。そこを崩していくと、自分のスタイルが出来上がっていくと思います。
いつも同じような服を買ってしまうという悩みもよくあります。それもバランス次第で着こなせる?
必然的に偏りますけど、それは自分が着易くて似合う物を選んでいるから、問題ないんです。そこは素直がいいと思う。そこからどういう風に着るかが重要なんだと思います。シャツも全部ボタン締めたほうがいいとか、1個だけじゃなく2個あけたほうがいいとか、色々あると思うんです。そうやって詰めて考えるとおしゃれが楽しくなると思う。自分がいいと思った服が、一番。ファッションって、自己満足だから、楽しまないと!
PROFILE
- スタイリスト 亘つぐみさん
- ( Tsugumi Watari )
雑誌をはじめ、広告やファッションショー、女優のスタイリングなど幅広く活躍をつづける。エッジィで洗練されたスタイリングに定評。